IWC | アイ・ダブリュー・シー 2025新作 ショックアブソーバー・システムとトゥールビヨンが融合した、IWC「ビッグ・パイロット・ウォッチ・ショックアブソーバー・トゥールビヨン・スケルトン XPL」

2025年の新作としてIWCシャフハウゼンが、ジュネーブで開催されたウォッチズ&ワンダーズで「ビッグ・パイロット・ウォッチ・ショックアブソーバー・トゥールビヨン・スケルトン XPL」を発表しました。このモデルでIWCは、衝撃から保護するための特許取得済みSPRIN-g PROTECT®ショックアブソーバー・システムをトゥールビヨン搭載モデルに初めて採用しました。カンチレバー・スプリングは、フライング・ミニッツ・トゥールビヨンを搭載したIWC製キャリバー82915に適合するよう、完全に再設計されました。ムーブメントの質量を軽減し、システムのパフォーマンスを最大限にするために、地板、ブリッジ、ローターはスケルトン加工されており、複雑な機構と内部のバルク金属ガラス(BMG)製ショックアブソーバー・スプリングがよく見えるようになっています。テクニカルなデザインのこの非常に複雑な時計は、セラタニウム®製ケースとリューズを備えています。このモデルにはセラタニウム®製ピンバックルを配したパターン柄のブラックのラバーストラップが組み合わされています。
トゥールビヨンは、高級時計製造において最も洗練された複雑機構の1つです。この機構では、テン輪とアンクル(テンプと脱進機)が小さなケージに収められ、これが1分間に1回転します。このくり返される回転により、時計の振動によってパーツにかかる重力が相殺され、精度が向上します。その複雑さにより、トゥールビヨンは非常に繊細で壊れやすい機構でもあります。また、限られたスペースの中で何十もの部品が連携して動作する必要があるため、特に衝撃による損傷を受けやすくなります。「ビッグ・パイロット・ウォッチ・ショックアブソーバー・トゥールビヨン・スケルトン XPL(Ref.IW357701)」により、IWCのエンジニアリング部門であるXPL(IWCエクスペリメンタル)は、高級時計製造の限界を再び押し広げました。ブランド初となるこの非常に複雑な時計では、特許取得済みのSPRIN-g PROTECT®ショックアブソーバー・システムとトゥールビヨンが組み合わされています。

IWCのエンジニアリング部門であるXPL(IWCエクスペリメンタル)の飛躍的革新
IWCシャフハウゼンの先進的なエンジニアリング部門であるXPLは、機械式時計の耐久性を向上させ、応用範囲を極限的な環境まで広げるための新技術を開発しています。研究分野の1つは、ムーブメントの衝撃保護です。時計が衝撃を受けると、ムーブメントに高いGフォースがかかる可能性があります。たとえば、時計のケースが硬い表面に衝突した場合、加速度は300~1,000Gの範囲になる可能性があります。ムーブメント内部で発生する加速力は最大1,000Gに達します。IWCシャフハウゼンの特許取得済みSPRIN-g PROTECT®システムは、カンチレバー・スプリングを使用してムーブメントを緩衝し、ケース内でムーブメントを吊り下げます。ケースに衝撃が加わった場合、ムーブメントは圧縮スプリングシステムが衝撃力を大幅に軽減することによって保護されます。独自のリューズカップリングシステムにより、カップリングが外れるとムーブメントはケース内で自由に動き、外力から免れます。
トゥールビヨン用に再設計された衝撃保護機構
SPRIN-g PROTECT®システムをIWC自社製キャリバー82915に適合させるには、スプリングの形状を再設計する必要がありました。8本のアームをそれぞれ、高度なシミュレーションツールを使用して再計算し、トゥールビヨンムーブメントの寸法と重量に適合させ、再設計されたショックアブソーバーには、先進的な測定方法を用いた包括的なテストが課されました。一連のテストにおいて、保護されたトゥールビヨンムーブメントは10,000Gを超える衝撃に耐えることができたのです。
弾性特性を備えた先進的なバルク金属ガラス
この並外れたパフォーマンスの鍵は、スプリングの完璧な形状とバルク金属ガラス(BMG)という素材を用いたところにあります。このスプリングは縦横にわたって衝撃力が均一にかかるように設計されています。非常に複雑な製造プロセスにより、BMGには不規則な原子スケールの構造が与えられます。この非結晶質の微細構造により、素材の弾性が従来の金属よりも大幅に向上します。これは、ショックアブソーバー・スプリングの重 要な要件です。しかし、この素材を製造することは、工学的にとても大きな挑戦となります。液体金属は、その構造が非結晶質のままで結晶質にならないように、非常に急速に冷却する必要があります。そうしないと、金属はその長所となる特性を失うことになるからです。

保護されるべき質量を減少させるスケルトン加工されたムーブメント
スプリングで保護するものの重量を低減することは、ショックアブソーバー・システムの性能にとって重要なことです。このため、IWC製キャリバー82915の地板、ブリッジ、ローターはスケルトン加工されています。文字盤は12時位置の特徴的な三角形と分目盛りを備えたシンプルなブラックのリングに縮小され、スーパールミノバ(SuperLumiNova®)が塗布された三角形の針までもスケルトン加工されています。6時位置に見えるフライング・ミニッツ・トゥールビヨンは56個のパーツで構成され、重量は0.663グラムしかありません。このアプローチにより、IWCのエンジニアはムーブメントを可能な限り軽量化し、ショックアブソーバー・システムの性能を最大限に引き出すことができました。また、さまざまなパーツとBMGスプリングも見事に視認できるようになっています。このムーブメントは、セラミック製のパーツで強化されたペラトン自動巻き機構を備えています。両方向へのローターの動きを利用し、効率的に80時間のパワーリザーブを主ゼンマイに蓄えます。
セラタニウム®製ケースとリューズ
この時計のケースとリューズは、IWCが開発し、2017年に初めて発表した革新的な素材であるセラタニウム®を使用して製造されています。セラタニウム®は特殊なチタン合金をベースにしています。棒状の素材から加工されたパーツはその後、仕上げが施され、加熱炉で高温熱処理されます。この熱処理の過程で、セラミックの性質を帯び、暗色のメタリックな仕上がりになります。その結果、セラタニウム®で作られたパーツはチタンと同じくらい軽くて壊れにくいと同時に、セラミックと同じくらい硬くて傷がつきにくくなるのです。セラタニウム®製ケースは、両サイドに特徴的なラバーバンパーを備えています。このきわめて複雑で未来的なビッグ・パイロット・ウォッチには、セラタニウム®製ピンバックルの付いたテクニカルパターンのブラックのラバーストラップが組み合わされます。
Big Pilot's Watch Shock Absorber Tourbillon Skeleton XPL
ビッグ・パイロット・ウォッチ・ショックアブソーバー・トゥールビヨン・スケルトン XPL
Ref:IW357701
ケース径:44mm
ケース厚:13mm
ケース素材:セラタニウム®
防水性:10気圧
ストラップ:ブラックのカーフスキン製インレイ付きラバーストラップ、セラタニウム®製ピンバックル
ムーブメント:自動巻き、Cal.82915、毎時28,800振動(4Hz)、25石、80時間パワーリザーブ
仕様:時・分表示、秒針停止機能付きトゥールビヨン、スケルトン文字盤、ブラックの針、セラタニウム®製リューズ、シースルーケースバック
価格:要お問い合わせ

※2025年4月時点での情報です。掲載当時の情報のため、変更されている可能性がございます。ご了承ください。
BRAND NEWSアイ・ダブリュー・シー ブランドニュース
-
2025新作 IWC「パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト・マンス」
2025/04/11
-
2025新作 ブラックセラミック製のIWC「インヂュニア・オートマティック 42」
2025/04/11
-
2025新作 直径35mmのケースを備えたIWC「インヂュニア・オートマティック 35」
2025/04/11
BRAND CONTENTS アイ・ダブリュー・シー コンテンツ一覧
INFORMATION

アイ・ダブリュー・シー(IWC)についてのお問合せは・・・
アイ・ダブリュー・シー
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-4
TEL: 0120-05-1868
アイ・ダブリュー・シー ブランドページを見る