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2023 New Model | BREGUET
2023年 ブレゲ新作 マリーン トゥールビヨン 5577

【編集顧問 田中克幸 ピックアップ】

 アブラアン-ルイ・ブレゲが1801年6月にパリで特許を取得した“トゥールビヨン”。近年では2013年にCal.581DR搭載で登場した後、その220周年に当たる2021年には世界限定35本のクラシック・コンプリケーションでも発表された。その搭載ムーブメントのCal.581を採用したマリーン・コレクションの新作が「マリーン トゥールビヨン 5577(Marine Tourbillon 5577)」である。直径37mmのCal.581の厚さはわずか3.0mmで、その主な理由はペリフェラルローターの採用だ。写真の18Kローズゴールド(RG)モデルの他にプラチナケースも用意され、RGケースではサンバースト仕上げのスレートグレー・ダイアルがオフセットにレイアウトされている。


Marine Tourbillon 5557
マリーン トゥールビヨン 5577
Ref:5577BR/G2/9WV
ケース径:42.50mm
ケース厚:9.35mm
ケース素材:18Kローズゴールド
防水性:10気圧(100m)
ストラップ: ブラウンアリゲーター
ムーブメント:自動巻、Cal.581、80時間パワーリザーブ、毎時28,800振動(4Hz)
仕様:時・分表示、スモールセコンド、極薄トゥールビヨン、ペリフェラルローター、ゴールドダイヤル(サンバースト仕上げ)
価格:21,868,000円(税込)

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※価格は発表当時の情報になります。最新情報につきましては公式サイトをご確認ください。


近年のブレゲが開発したトゥールビヨンの中でも、構成パーツの素材やパワーリザーブ等で特筆すべき存在と言われているのがCal.581である。直径37mmに対してわずか3.0mmの厚さを実現したのは、ムーブメントの外周を廻るペリフェラルローターが寄与している。マイクロローターではない理由はトゥールビヨンキャリッジ等の占有面積と関係があるのだろうか? このため2018年の「クラシック トゥールビヨン エクストラ-フラット オートマティック 5367」と、2021年の「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット アニバーサリー 5365」ではモデル名にわざわざ“エクストフラット”と入れられたほどだ。キャリッジとひげゼンマイは摩擦低減に有効なシリコン製で、二重ではなく単一の香箱ながら80時間のパワーリザーブを実現。なお、香箱は高エネルギーを生み出すために改良された特許取得のハイエナジー香箱。振動数は毎時28,800振動(4Hz)、334個の部品で構成され石数は33個である。初代ブレゲの設計を継承する正統派のトゥールビヨンでありながら、現代の腕時計型トゥールビヨンに適合すべく精緻なイノベーションが成されたムーブメントである(参考文献:『webChronos』 2018年12月3日公開記事より)。


Cal.581の搭載は2013年発表の「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5377」のパワーリザーブ・インジケーター付きCal.581DRに始まる。次の採用は2017年発表のマリーン・コレクション「マリーン エクアシオン マルシャント 5887」。当モデルではパーペチュアルカレンダー+イクエーション(均時差表示)機能が組み込まれたCal.581DPEを搭載。さらに2018年では再びクラシック・コレクションに戻り、パワーリザーブ表示計を排除したCal.581が「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5367」に搭載。さらに当記事の製品解説文でも既述の2021年登場の限定モデル「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット アニバーサリー 5365」へと続き、今回の2023年では再びマリーン・コレクションの「5577」へ搭載されている。どうやらクラシックとマリーンを往復するような運用方法が成されているようである(参考文献:『webChronos』 2018年12月3日公開記事より)。


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