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2024 New Model | SPEAKE MARIN
2024年 スピークマリン新作 ミニッツリピーター・カリオン

【編集顧問 田中克幸 ピックアップ】

 ミニッツリピーター等の通称“音鳴り時計”には、通常2個のハンマーと環状のゴングが配置される。より多彩な音色を表現するリピーターにはこれらが増設され、スピーク マリンの新作「ミニッツリピーター・カリオン(Minute Repeater Carillon)」は3個のゴングとハンマーで3色の異なる音を奏でるユニークピースである。通常のリピーターより音色がひとつ増えた分、告知音に繊細さが加わった印象だ。当モデルでは6時位置に60秒で1回転するフライング・トゥールビヨンも設置。創業者ピーター・スピークマリン氏が考案した4つのアイコンも堅持され、ブランドとして筋の通った創作姿勢を貫いている。ル セルクル デ オルロジェ製の手巻き式Cal.SMA-HH02搭載。


ミニッツリピーター・カリオン

Minute Repeater Carillon
ミニッツリピーター・カリオン
Ref:964282520
ケース径:42.0mm
ケース厚:16.0mm
ケース素材:プラチナ(ベゼル部分)、ラグ付きのチタンまたはグレーPVDチタン(グレード5)のミドルケース、プラチナ(シースルーケースバック)またはサファイアケースバック
防水性:3気圧(30m)
ストラップ:レザーまたはラバーストラップ、フォールディングまたはピンバックル
ムーブメント:手巻き、Cal.SMA-HH02、約72時間パワーリザーブ、毎時21,600振動(3Hz)、部品数536個、51石、ミニッツリピーター・カリオン、60秒フライングトゥールビヨン
仕様:時・分・秒(トゥールビヨン)表示、ミニッツリピーター・カリオン、60秒フライングトゥールビヨン、ダイアル“XII”部分のアニメーション数字
限定:ユニークピース
価格:63,360,000円(税込)


※価格は発表当時の情報になります。最新情報につきましては公式サイトをご確認ください。


カリオン(Carillon)とは教会等の鐘楼(しゅろう・しょうろう)に設置される音階のある打楽器を指す。当モデル採用のムーブメントは、ミニッツリピーター・カリオンと60秒フライング・トゥールビヨンを搭載する手巻き式のCal.SMA-HH02。直径42×厚さ16mm。部品数536個。製造はラ・ショー・ド・フォンの高級ムーブメント製造メーカー、ル セルクル デ オルロジェ(Le Cercle des Horlogers)社で、1本の時計のアッセンブリーにはおよそ1カ月を要する。2014年からル セルクル デ オルロジェへの投資を開始したスピークマリンは、2020年には当ブランドのオーナー、クリステル・ロズノブレ夫人が当社の株主に就任している。ル セルクル デ オルロジェはスピークマリン以外の時計会社へもムーブメントを提供しているが、これらとは別にスピークマリン専用の8個以上のムーブメントが稼働もしくは設計・開発中だ。


カリオンの作動に併せて、12時位置のローマ数字インデックス“XII”も踊るような連続駆動する点が当モデルの特徴(「X」と「II」のバーが各々連続運動する)。この動作は他のゼンマイによって駆動するので計時への影響はない。写真に少し見えるハート型の時針先端部は、創業者ピーター・スピークマリン氏が考案したアイコンのひとつで、現在もなお堅持される重要な要素。彼は自身が好きな20世紀初頭の英国製懐中時計を時計製造の規範としており、“ピカデリーケース”と称される堅牢なラグ付き大型シリンダー型ケースもそのひとつ。前述のスペード型時針先端部はロンドンのビッグベンの針に倣っており、ブランド・ロゴは歯車切断用の工具のトッピングツールから採用されている。そもそも“音鳴り時計”の起源は17世紀末頃、英国の時計師エドワード・バーローやダニエル・クエラーの発明とされている。それ以前はゴングを搭載しておらずハンマーがケースの内側を打つ無音打刻時計だった。現在のミニッツリピーターの開祖はアブラアン-ルイ・ブレゲで、彼は教会等の鐘の代わりにリング状のゴングを開発し、ケースの内側に周回させたゴングをハンマーで打刻する方式を発明した。現在、“音鳴り時計”の代表は15分単位のクォーターリピーターと「何時何分」まで知らせるミニッツリピーター、さらにウェストミンスター(※註)等の高度な複雑系も存在する。ミニッツリピーターの音は高音と低音のふたつでハンマーも2種類が用意されるが、本作のカリオンのようなモデルでは3種類になる(参考:『webChronos』2019年8月28日公開記事。パテック フィリップ公式HP)。
(※註)ウェストミンスター:英国・ロンドンのウェストミンスター宮殿の時計塔“ビッグベン”で使用されている時鐘のメロディ。4つの鐘が奏でる4つの音階で成立し、日本では昔より学校のチャイムで使用され日本人にはなじみ深いメロディである。


6時位置のトゥールビヨンキャリッジに採用されるブランド・ロゴも創業以来続くデザイン。伝統的な時計作りを行う時計師が、昔から使用している歯車の歯切り専用のトッピングツールがデザイン・モチーフだ。創業者ピーター・スピークマリン氏より現在へと続くブランド・アイデンティティをまとめると、(1)大型シリンダーケース&ラグの“ピカデリーケース”。(2)ロンドンのビッグベンの針を模した大型時針。(3)時計師専用工具の中で歯車切断用工具のトッピングツールを象(かたど)ったロゴである。以上の他に「アカデミック」や「リップルズ」「オープンワーク」「アートシリーズ」コレクションでは、ダイアルの1時30分の位置に配されたスモールセコンドもデザインの特徴のひとつである。


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    DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパン株式会社
    〒108-8360 東京都港区三田3-4-19
    mail:cg.csc1@dksh.com


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