JAEGER-LECOULTRE | ジャガー・ルクルト エナメル装飾を施したレベルソの傑作に表現される希少なクラフトマンシップ
エナメル装飾とエングレービングという、ジュウ渓谷のアトリエが誇る高度な技巧を昇華させるために、グランド・メゾンでは、表と裏に見事な芸術作品を託したレベルソを創作しました。これは職人にとって初めての試みとなる、緻密な作業の賜物です。手作業で精緻なギョーシェ彫りが施された表ダイヤルは、半透明のグラン・フーエナメルで覆われ、点描画、水墨画、浮世絵という異なる独特の技法と象徴的なスタイルを採り入れたエナメル細密画が施された裏ダイヤルと完璧に調和しています。今回初めて採用されるこの3つの技法を表現するにあたって、ジャガー・ルクルトはジョルジュ・スーラ、徐悲鴻(ジョ・ヒコウ)、葛飾北斎の3人の巨匠の作品をエナメル細密画に選びました。
これらの芸術作品を表現するモデルは、象徴的なアールデコ様式が目を引く「レベルソ・トリビュート・エナメル」です。このモデルのために、ホワイトゴールド製ケースが特別に製作されました。
各3モデルはそれぞれ8個の限定生産で、ブティックにて限定販売されます。
レベルソ・トリビュート・エナメル-ジョルジュ・スーラ、『グランド・ジャット島の日曜日の午後』
ジャガー・ルクルトのギョーシェ職人による精巧な装飾が施されている表ダイヤル。この装飾を施すのに使用する機械は100年以上前のもので、高度な技量が要求されます。ここでは、小さな菱形のギョーシェパターンが深緑の半透明エナメルで覆われ、立体感のある仕上げになっています。この深緑の色は、裏ダイヤルの細密画と完璧に調和するように、長い時間をかけて入念に作り出されたものです。
表ダイヤルそのものがひとつの芸術的快挙だとすれば、ケースを反転させたときの驚きは、まさに真の芸術作品に出会ったときの驚きに他なりません。
1884年から1886年にかけて制作された『グランド・ジャット島の日曜日の午後』は、ジョルジュ・スーラ(1859年~1891年)が確立した美しい点描画法を代表する作品です。19世紀フランスの新印象派を代表する画家、スーラは、この縦2m、横3mの大作の制作に2年をかけ、60あまりの素描や下絵を残しました。この絵画の舞台はパリ近郊のセーヌ川の中州で、人々が水浴びや自然を楽しむ様子が描かれています。
点描法とは、絵具をのばして塗っていくのではなく小さな点を並べていく画法です。いろいろな色彩の点を並置することで、人が観賞したときに一つの色に感じられる、視覚混合という効果を利用しています。
この細密画の制作にあたり、ジャガー・ルクルトの希少なクラフトマンシップ(Métiers Rares® )を駆使するエナメル職人は、数多くの技術的課題を克服せねばなりませんでした。最初の課題は、横幅が3mを超える大作を3m²のスペースに収めることであり、点描法を再現するために、独自のテクニックを考案しなければなりませんでした。例えば、先が非常に細く硬い、頻繁に交換が必要な筆などの、独自の工具の製作です。点描法のエナメル細密画は実に複雑な作業です。絵が完成した後、その上にエナメルを何層も重ねて保護することで発色が薄くなっていくなるため、毎回原作の色より濃い色を作り出さなければなりませんでした。まさに息の長い作業と言えます。
この傑作を完成させるために、70時間以上が費やされました。言うまでもなく、その前に完璧な色の追求に要した時間は含まれていません。
レベルソ・トリビュート・エナメル-徐悲鴻の作品から着想を得たモデル
グランド・メゾンは、この作品を通して水墨画という芸術に着目しました。
ダイヤルには、縦方向の幾何学模様パターンの繊細なギョーシェ彫りが施され、パールの繊細な輝きを思わせる乳白色のエナメルで覆われています。
徐悲鴻(1895年~1953年)は、20世紀の中国を代表する最も有名な画家の一人です。水墨画、油彩画、デッサン、パステル画、書道で知られる彼は、中国では特に雄渾な馬の絵で人気を博しました。オリジナルの作品は、中国の大自然を背景に躍動する10頭の馬を描いた幅5mを超える大作で、エナメル職人はそのうちの2頭に着想を得てこのモデルをデザインしています。
この細密画の制作にも数多くの課題が伴いました。エナメルの保護層がこの水墨画の率直なおおらかさを奪ってしまうにもかかわらず、作品に表現される筆の動き、流動性、軽快さといったものをできる限り忠実に再現しなければなりません。職人は、馬たちが発する躍動感を表現する的確な筆運びを会得するのに、多くの時間を費やしました。同様に、鬣(たてがみ)などの細部を描写することも文字どおりのチャレンジでした。また、墨絵という単色の世界が、多彩な色を操ることに慣れたエナメル職人の作業をいっそう複雑にしたことも確かでしょう。
完成作品は、グランド・メゾンが誇るエナメル職人の比類ない才能を物語るように、驚くほどの生命力と気迫に満ちあふれています。
レベルソ・トリビュート・エナメル-葛飾北斎、『神奈川沖浪裏』
この作品でジャガー・ルクルトの時計職人たちは、葛飾北斎に代表される日本の浮世絵技法を取り入れています。
表ダイヤルには、裏ダイヤルの絵に呼応するように、精緻なギョーシェ彫りによる小さな波の装飾が施されています。また表ダイヤルは、北斎の『神奈川沖浪裏』の海の色を思わせる深いブルーの半透明エナメルで覆われています。
日本を代表する浮世絵師の葛飾北斎(1760年~1849年)の作品の中でも、特に知られているのが富士山の景観を描いた三十六の風景画からなる『富嶽三十六景』です。これは、日本の伝統的なテーマに西洋絵画の 遠近法を初めて取り入れた象徴的な作品となっています。この一連の景観のひとつに、北斎の名が日本だけでなく世界に知られることになった『神奈川沖浪裏』があります。この絵は、レベルソ・トリビュート・エナメルの制作にあたり、ジャガー・ルクルトのエナメル職人に裏ダイヤルの装飾のインスピレーションを与えました。
その制作でもまた、思い通りの色を作り出し、この風景画の力強さであり特徴でもある波のうねりと飛び散る水しぶきを表現する細かな要素を工夫する必要がありました。これほど小さな面に緻密な装飾を施す作業は並大抵のものではなく、その反対に、穏やかな空を筆のタッチを残さずむらなく描き出すのも容易ではありませんでした。この作品もまた、点描画のような細部と、徐悲鴻の絵の繊細さが同時に求められる点において、前のふたつの作品と同様の難しさがありました。
反転式ケースを備え、特にエナメル細密画などの装飾美術に適した、グランド・メゾンの究極のアイコンであるレベルソ。こうした絵画の傑作を描き出すキャンバスとしてレベルソ以上にふさわしいモデルはないでしょう。レベルソ・トリビュート・エナメルは、1931年のレベルソの初代モデルから受け継いだアールデコ様式の コード、植字されファセットカットを施したインデックスとドーフィン針を備え、この卓越した職人技をさらに際立たせる個性的な表情をたたえています。
ジャガー・ルクルトのこれら3つの新作モデルは、グランド・メゾンの芸術的創造性と、メゾンの芸術および 文化への 理解を象徴する希少なクラフトマンシップ(Métiers Rares® )のアトリエに宿る、貴重なサヴォア フェール(ノウハウ)を見事に物語っています。
レベルソ・トリビュート・エナメル(写真右上から順に)
Ref.:Q39334T1
ケースサイズ:45.50×27.40mm
ケース厚:9.73mm
ケース素材:ホワイトゴールド
ストラップ:アリゲーター
ムーブメント:手巻き、Cal.822A/2、19石
仕様:時、分表示、グラン・フー エナメルとギョーシェ彫りによるダイヤル
限定:世界限定8本、ブティック限定
Ref.:Q39334P1
ケースサイズ:45.50×27.40mm
ケース厚:9.73mm
ケース素材:ホワイトゴールド
ストラップ:アリゲーター
ムーブメント:手巻き、Cal.822A/2、19石
仕様:時、分表示、グラン・フー エナメルとギョーシェ彫りによるダイヤル
限定:世界限定8本、ブティック限定
Ref.:Q39334C1
ケースサイズ:45.50×27.40mm
ケース厚:9.73mm
ケース素材:ホワイトゴールド
ストラップ:アリゲーター
ムーブメント:手巻き、Cal.822A/2、19石
仕様:時、分表示、グラン・フー エナメルとギョーシェ彫りによるダイヤル
限定:世界限定8本、ブティック限定
※2018年2月時点での情報です。掲載当時の情報のため、変更されている可能性がございます。ご了承ください。
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