Glashütte Originalグラスヒュッテ・オリジナル マニュファクトリー体験記
ドイツ再統一で蘇った
本格マニュファクトリー
ドイツ・ザクセンの州都ドレスデン。そこから車で約一時間ほどの場所にあるのが、ドイツにおける高級時計の生産地として今や世界に知られる存在となったグラスヒュッテである。
この町に本社と工場を構える高級時計メーカーがグラスヒュッテ・オリジナル。その製品バリエーションはシンプルなものから多機能を誇るコンプリケーション(複雑時計)までと豊富であり、自社内で一貫生産を行うマニュファクトリー(フランス語ではマニュファクチュール)としての体制を確立した世界でも数少ない存在のひとつである。
過去、私がここを訪れたのは2007年2月だった。その後、1階にあった直営ブティックがドレスデン市街に移り、カフェが4階に移転して社員食堂としても機能するなどして、1階に製造部門が拡張されるなどの変化があったという。つまり、それだけグラスヒュッテ・オリジナルの需要が世界的に拡大し、それに対応した生産体制に移行する必要があったということだ。
また、その間にドイツ南部シュバルツバルト地方にある文字盤とケースの工場を完全に傘下に納め、名実共に自社一貫生産を実現するマニュファクトリーとしての体制を確立したのである。
そこでまずは1階から取材を開始。ここにあるのは工具工房。グラスヒュッテ・オリジナルでは時計を作る特殊工具も自社で開発・製造しているのだ。それは時計メーカーとして独自性を確保するためでもあり、他社では真似のできないものを生み出すためだという。
そして同じく1階には部品の製造部門も設置されている。ここではコンピュータ制御の最新の切削マシンに加え、テンプやトゥールビヨンのケージなど、より精密で複雑な形状の部品を切り出せるワイヤー放電加工も自社内で行っている。
これらの部門で製造された部品は、同じ1階の計測室で精度検査を受ける。この検査に必要となるのは3~4時間。そして、ここで検査にパスした部品だけが上層階へと送られ、装飾加工や組み立てに用いられることになるのだ。
ネジと歯車の製造
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時計工場取材の際、必ずチェックするのが部品資材置き場。マニュファクトリーであるグラスヒュッテ・オリジナルでは当然、あらゆるタイプの鋼材がストックされている。
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1階の部品工房では小ネジ、ピニオン(カナ)、リューズの巻き芯、テンワ、香箱など、丸棒から作られる小さな部品類は、すべてこの部署で製作されている。
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歯車工房で行われる歯切り作業。大半の歯車はここで製作。先にプレスマシンで肉抜きされた円盤を何十枚も重ねて溝を切り込み、それをバラバラにすると歯車ができる。
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歯切りマシンから外された歯車。このような歯車ひとつとっても新規ムーブメントの80%は新設計となっており、既存ムーブメントからの流用はほとんどないという。
地板の製造
ワイヤー放電加工
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photo:Ryotaro Horiuchi
協力:スウォッチグループ ジャパン グラスヒュッテ・オリジナル / Thanks to:Glashütte Original
INFORMATION
グラスヒュッテ・オリジナル(GLASHÜTTE ORIGINAL)についてのお問合せは・・・
スウォッチ グループ ジャパン株式会社 グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座
〒104-8188 東京都中央区銀座7-9-18
TEL: 03-6254-7266
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