SIHH2018 MONTBLANC New Model2018年 モンブラン新作　モンブラン ラリータイマー クロノグラフ リミテッド エディション 100

　2017年のSIHHで登場し、会期中に完売した人気のクロノグラフ第2弾限定モデル。2007年にモンブラン傘下に収まったクロノグラフ専門メーカー、ミネルバの伝統を受け継ぐ新作で、本年の2018年に創業160周年を迎える当ブランドを顕彰するモデルでもある。

　発想の源は往年のモーターレースで使用されたレースカー搭載のダッシュボード・ストップウォッチ。1858年にスイス・ヴィルレに創業したミネルバは、1911年初頭に1/5秒計測可能のストップウォッチを開発、その5年後の1916年には1/100秒計測も可能にした専業クロノグラフ・メーカーの名門中の名門。かつてミネルバのストップウォッチは各国空軍、スポーツ、医療、映画、TV界で広く使用された歴史を持ち、当モデルはその由緒ある伝統を現代に伝える新作である。

　世界限定100本で販売される新作「モンブラン ラリータイマー クロノグラフ リミテッド エディション 100」は、ミネルバが1960年代に発表したラリータイマー ストップウォッチをオリジナルとする。ダイアル外周部には秒カウントを明快に読み取れるアラビック・インデックスとタキメーター、30分積算計（12時位置）とスモールセコンド（6時位置）を配し、ブラックのメインダイアルにホワイトのサブダイアルという“逆パンダ配色”が特徴だ。

　ダッシュボード・ストップウォッチを最も特徴的に表しているのが、12時に配置されたリューズ。さらに当モデルはケースを180度両方向に回転させることで（3時～9時位置）、ドライビング中に時刻視認に適したポジションを確保するドライバーズウォッチの機能を持つ。

　ケース径は50mm、通常ダッシュボード・ストップウォッチの腕時計化では、より多くのユーザーを確保するためにケースを小径化することが一般的だが、このモデルでは敢えてダイレクト・サイズを採用し、マニアックな訴求力を実現した。その一方、グレード2のチタニウムによる軽量化で大きさと重量のバランスを取る配慮がなされている。

　搭載ムーブメントはモンブラン自社製造の手巻きモノプッシャー・クロノグラフCal.MB M16.29。クロノグラフの作動感が滑らかなコラムホイールを採用する当ムーブメントは、1930年代に製造されたミネルバのCal.17.29をベースとする、毎時18,000振動のロービート・ムーブメントである。

　さらに時計愛好家が注目すべきは、ヴィンテージ感溢れるストラップ。これは元々、ルネッサンス期にイタリアで発案されたグラデーション絵画技法“スフマート（伊語。Sfumato／ぼかした、蒸発したという意味）”を用いており、フィレンツェ郊外の自社皮革工房「プレテリア（伊語。Pelletteria　皮革製品という意）」で製作しているオリジナル製品である。

　2018年はミネルバ創立160周年に当たる年。ストップウォッチ／クロノグラフの名門を顕彰する意味でも、モンブランが満を持して時計愛好家へ贈る新作である。

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