MAURICE LACROIX知覚価値の追求によって高められた新たな“アイコン”の魅力 01
複雑時計製作のノウハウが活かされた
上質でグッドルッキングな傑作
「カリプソ」は1990年代のモーリス・ラクロアにおけるアイコニックな時計だった。ベゼルにはアームの意匠を施し、ケースとブレスレットが一体化したデザインはエレガントで、ひと目でそれと分かるルックス。しかも手の届きやすい価格に抑えていたのだから、高い支持を獲得していたというのもうなずける。「カリプソ」は2003年で姿を消してしまったが、このモデルをデザインモチーフに、現代的なアップデートを図ったのが、2016年に登場した「アイコン」だ。
ベゼルのアームをはじめとする特徴的なディテールは「カリプソ」を踏襲しながらも、そのルックスはスポーティーな雰囲気に一新。しかもクォーツ・ムーブメントを搭載して価格を抑え、ラインナップもケース径42mmの三針モデルを筆頭に、44mmのクロノグラフ、35mmのレディース・モデルを展開するなど、幅広い層にリーチする内容とした。そして2年後の2018年には自動巻きのモデルも追加し、結果「アイコン」は世界的な大ヒットモデルとなる。
「『AIKON』と“Icon”は発音が同じなのですが、それはこのモデルをモーリス・ラクロアのアイコンに位置付けたいという思いからこのようなネーミングにしたのです。レストランに行ってメニューを見ると“本日のおすすめ”が載っていますよね? 『アイコン』はまさに、モーリス・ラクロアにおけるそのようなポジションを狙ったのです」
このように説明するのは、ブランドのマネージング・ダイレクターであるステファン・ワザー氏。2014年にこのポジションに就任するやブランドのフィロソフィーを改めて社内に周知させ、「アイコン」を世界的なヒットモデルに押し上げたキーパーソンだ。
「『アイコン』が好セールスを記録した要因は、ブランドのフィロソフィーでもある“知覚価値(High Perceived Value)”を徹底したことにあると考えています。知覚価値を持った時計とは、価格以上の質感と見栄えの良さを兼ね備え、実際に手にすることでその良さを実感できるものです。もっとも、それを実現するためには、例えばケースの仕上げにおいてもポリッシュとサテンを細かく使い分けるなど、ディテールにこだわる必要があります。しかし、モーリス・ラクロアには『マスターピース』の一連のモデルを製造するノウハウがありますからね」
「マスターピース」は、スクエアやハート型のホイールを用いたり、ミステリーダイアルを採用したりするなど、斬新なアイデアを具現したモーリス・ラクロアの独自性を実感できるコレクション。2010年に「マスターピース スクエアホイール」を発表して以降、コンスタントに新作を発表し続けており、そこで培ったノウハウと技術力を用いて「アイコン」は作られているのだという。
「『マスターピース』を作り続けてきたからこそノウハウが蓄積されたのです。歴代のコレクションのなかでもベストセラーとなった『カリプソ』を現代風にアレンジして復刻すること、そしてムーブメントのデザインまで行えるというふたつのバックボーンがあって現在の『アイコン』は誕生したのです」
取材・文:竹石祐三 / Report&Text:Yuzo Takeishi
写真:堀内僚太郎 / Photos:Ryotaro Horiuchi
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