Fukushima Watch Company注目の小規模時計メーカー「Fukushima Watch Company」とは? 02
福島移転第一号「Odaka」誕生と
ウクライナ支援モデルの発表
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福島県南相馬市小高区に移転してから開発された「Odaka(おだか)」。かつて職人の街として賑わっていた、この地区の歴史にインスパイアされたクラシックなスモールセコンドの自動巻きモデル。信頼性の高さとアフターメンテナンスのしやすさを重視して国産自動巻きムーブメントの「MIYOTA Cal.82S5」を搭載。ケース径36.0mmとコンパクトなユニセックス・サイズ。
そして南相馬市小高に移転して開発されたのが、その名も「Odaka(オダカ)」。このモデルは国産の自動巻きムーブメントを搭載しつつ66,000円というリーズナブルな価格を実現。そしてケース径36.0mmというユニセックス・サイズを採用したことが特徴だが、その理由を平岡さんはこう説明する。
「『オダカ』は時計に関心のない方にも興味を持っていただきたいと思い10万円以下のモデルとして開発しました。しかし、単にリーズナブルなだけでなく、信頼性が高く耐久性に優れたミヨタ製の国産自動巻きムーブメントを搭載することでコストパフォーマンスも追求しています」
ところが南相馬に移転し会社を立ち上げて間もない2022年12月にウクライナとロシアの戦争が始まったのだ。実は南相馬とウクライナとは縁が深く、2011年に原発事故によって立ち入り制限区域となった際、南相馬に1986年のチェルノブイリ原発事故で被害を受けたウクライナから、放射線量を計測するガイガーカウンターが寄贈され、南相馬とウクライナの子どもたちで手紙をやりとりするといった交流があった。
そこで平岡さんは自分たちの時計作りが少しでもウクライナ支援に繋がればと思い、チャリティ・モデル「SAVE UKRAINE WATCH」を製作。この腕時計の販売価格の20%が義援金としてウクライナへ届けられるという。
ところで平岡さんにお話を聞きながら、ひとつ気になったのが「mirco」には「TYPE-02」と「TYPE-03」の2モデルがあるが「TYPE-01」が存在しないこと。なぜなのか?
「これは現在のところ欠番となっていますが、将来、我々がもっともシンプルでオーソドックスなモデルを製作したときのためにとってあるのです」ということだという。
また現在は事務所機能のみの南相馬の本社だが、この建物はもともと陶芸家の工房だったところ。近い内、ここに設備を整え、2025年には組み立て工房として稼働開始を予定する。さらに、これまでは自社サイトによるオンライン販売が中心だったが、現在は国内の2店舗で販売を開始し、さらに今後は特約販売店を増やしていきたいとのこと。いずれ実際の店舗で「フクシマ・ウォッチ・カンパニー」の製品を手にとって、その作りを確認できるようになるだろう。事実、私も今回、初めてその製品に触れてみて、質感や操作感が十分であり、非常にコストパフォーマンスに優れていると実感したのである。
福島の再興と未来を腕に刻む
最新作「Futaba」の登場
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2024年の11月16日に発売された新作「Futaba(フタバ)」は、その名の通り福島県双葉町をテーマにしたモデル。平岡さんは、かつての双葉町の暮らしや風景を調べ、未来の町の姿を想像しながらデザインしたという。センターセコンドのベーシックな自動巻きモデルだが、個性的なツートーン・カラーのダイアルが特徴。グリーン、レッド、シルバー、ブルー、イエローという5色展開で、それぞれ双葉町の独自の風景や文化を反映したネーミングとなっている。その売上の一部が双葉町の未来ある活動に寄付される。
この「フクシマ・ウォッチ・カンパニー」が2024年11月16日、新たなるモデルを発表した。それがここで紹介する「Futaba(フタバ)」である。その名称の通り、このモデルは福島県双葉町がテーマ。2011年3月の東日本大震災と福島第一原発事故によって全町避難を余儀なくされた双葉町だったが、2022年8月に避難指示が解除され、再び人々が住むことができる場所となった。平岡さんは、その双葉町における、かつての暮らしや風景をリサーチし、未来の街の姿を想像しながらデザインしたという。
基本はセンターセコンドのベーシックなスタイル。ダイアルはシルバーをベースに、5色のカラー・バリエーションを展開するツートーン・スタイルを採用。そのカラーの名称に双葉町の独自の風景や文化を反映させることで、このモデルに特別な意味を持たせているという。
ケース径は男女問わず着用できる34.0mm。ステンレススチール製のケースとブレスレットはミラー仕上げとなっている。
ケースバックはスケルトン仕様であり、日本で製造された耐久性と信頼性に優れた自動巻きベーシック・キャリバーである「MIYOTA Cal.82S0」を観察できるよう配慮されている。
また、このモデルの販売に際しては、売上の2%を双葉町で復興や地域支援に取り組む団体に寄付するとのこと。このような取り組みを通じて、時計を手にする方が双葉町の未来に貢献できる社会的な意義も持たせたい、と語る平岡さん。福島県南相馬市に移住し、そこで時計を作ることの意味を考えている平岡さんの出した、ひとつの答えが、この「フタバ」に集約されているのである。
INFORMATION
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