Ferdinand Berthoud“時計の谷”が生んだ偉大な時計師 フェルディナント・ベルトゥーの名を継ぐ超高級ウォッチ登場!
「ベルトゥーの作品を見て、本を読み、
彼の手紙を読解することが最初の仕事でした」
チームを編成し、最初に何から始めたのですか?
「まず私はパリの技術博物館を訪ね、そのアーカイブ(資料保管庫)で1日かけてベルトゥーの作品や資料を閲覧しました。そして、ベルトゥーが執筆した時計の理論書も読みました。しかも、それはショイフレさんがコレクションしていた初版本でした。
その本には技術的なことはもちろん、時計に対する理念や哲学も述べられていました。彼は単なる時計職人ではなく、科学的なアプローチを持った技術者でしたから、これからの時計が、どの方向に向かうと考えていたのか、といったことを理解するのが大切でした。
次に彼の書いた手紙を読みました。それは手書きなので、筆跡からベルトゥーがどんな性格だったかを想像し、ひとつひとつ読み解いていったのです。
その結果、ベルトゥーはかなり強い性格だったとわかりました。なぜなら国王に対しても“私は最高級のものを作ったので正当な対価を要求したい”と書かれていたからです」
それは極めて貴重な体験でしたね!
「しかもベルトゥーは単に時計師に止まらず数奇な人生を送った人でもありました。時にはルイ16世のスパイになり、イギリスでマリンクロノメーターを開発したジョン・ハリソンの動きを探ったりもしたようです」
その特別チームが働く工房は、どこにあるのですか?
「それはフルリエのショパール工場の中ですが、クヴェにあるベルトゥーの生家は、工房の窓から見えるほどの近さです。しかし、これは我々にとって自然なことでした。
なぜならベルトゥーはパリに移って名をなしましたが、クヴェに生まれた時計師であり、今回の復活における我々のメッセージは“ヴァル・ド・トラヴェールに生まれ育った時計師ベルトゥーの作品を復活させたい”というものだったからです。
ですから時計の文字盤には“Chronomètre Val-De-Travers Suisse”と刻印し、単に時計師としての業績だけでなく、ベルトゥーのルーツをも含めてリバイバルしたことを示しています」
ベルトゥーの作品を範とする
現代に蘇った超絶クロノメーター

2015年のパリのエキシビションで発表された復活第一作「クロノメーター フェルディナント・ベルトゥー FB 1」。フェルディナント・ベルトゥーが製作したマリンクロノメーターをモチーフとする防水窓の付いた8角形のケースには、自社開発・製造による「キャリバーFB-T.FC.」が搭載されている。
では現代のモデルについて教えて下さい。
「最初に開発した2つのモデルは、パリで発表した限定版でRGとWGケースで50本、プラチナのモデルを50本製作しました。ケースのデザインはマリンクロノメーターからインスパイアされ、時計を常に水平に保つ“ジンバル”という装置をモチーフにしています。そして、サイドにはポットホールという窓があり、ムーブメントが見える点もクロノメーターのケースがベースになっています。
もちろん、マリンクロノメーターが原点ですから、センターセコンドが絶対条件です。
さらに中心軸をはずしたオフセンターの時分針、センターセコンドの歯車とトゥールビヨンの歯車が連結しており、通常の腕時計では表面から見えるトゥールビヨンが裏側に設置されています。このレイアウトによりフュゼ・チェーン機構の位置が決まりました。
また、我々の求めた第2の条件ができる限り薄型にすることでした。また、パワーリザーブを長くすることも必須でした。これらは互いに矛盾する要素なのです。つまり、フュゼ・チェーン機構は巻き上げる時に重くなってしまいますが、それを解決するためデフギアを上に持ってきて、抵抗を減らして巻き上げられるようにしました。さらにフュゼ・チェーン機構を隠さず、つり下げ構造にしてブリッジを廃することで薄くできたのです。
その結果、このムーブメントは世界初の機構を実現しました。開発を担当したエンジニアは15年の経験がありましたが、従来の時計とまったく異なる構造のため“これまで、こんな時計は作ったことがない”と話しています。
このように我々が開発したものは非常にチャレンジングなムーブメントであり、構造は複雑ですが、発想としてはロジカル(理論的)でシンプルなものです」
そして2015年に続き、2018年にも新たなモデルが発表されました。
「第一次発表コレクションと第二次発表のコレクションのベースは同じですが、60%のパーツを変えています。それは独自の表示機構を持たせるためです。
この新しいレギュレーターはステンレスとチタンが各20本、ブロンズのモデルは5本を生産されます。特にブロンズは個々のモデルでパティナ(古色仕上げ)のニュアンスが異なり、一点一点がユニークピース(単品製作)と呼べるモデルです。
これらのモデルにはダイアルは存在せず、レギュレーター表示を行う複雑機構のモジュールプレートの裏側が文字盤を兼ねており、そこに針をセッティングしています。これらの部品もすべてフルリエの自社工房で製作しています」
-
クロノメーター フェルディナント・ベルトゥー FB 1R.6-1
従来とはまったく異なる独創的なレギュレーター表示を採用。2時位置の窓で時を表示し、12時位置のインダイアルで分を表示。センターに秒針を置き、10時位置にはパワーリザーブインジケーターがセットされている。ムーブメントにはトゥールビヨンと革新的なフュゼ・チェーン調整機構を備え、スイス公認クロノメーター検査局(COSC)の認定を受けている。Ref.:FB 1R.6-1
ケース径:44.0mm
ケース厚:13.95mm
ケース素材:SS
防水性:30m
ストラップ:手縫いアリゲーター(ダブルブレイドチタン製フォールディングクラスプ)
ムーブメント:手巻き、Cal.FB-T.FC.R、49石、パワーリザーブ約53時間、フュゼ・チェーン式トゥールビヨン(コンスタントフォース機構)、パワーリザーブインジケーター、COSC公認クロノメーター
仕様:シースルーバック、世界限定20本
価格:00000000(税抜)
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photo:Ryotaro Horiuchi
協力:ショパール ジャパン / Special Thanks:Chopard JapanINFORMATION
フェルディナント・ベルトゥー(Ferdinand Berthoud)についてのお問合せは・・・
ショパール ジャパン プレス
〒104-0061 東京都中央区銀座2-4
TEL: 03-5524-8922
フェルディナント・ベルトゥー ブランドページを見るNEW RELEASE
- 2025年 新作情報
- 2025新作 ローラン・フェリエ「クラシック・オート ホライゾン」
- ベル&ロスフェア 2025年5月1日(土)~31日(月)|そごう横浜店 2階=時計売場、そごう千葉店 4階=時計サロン
- そごう百貨店 OMEGA Fair 2025 2025年5月1日(土)~31日(月)|そごう横浜店、そごう大宮店、そごう千葉店
- 松屋銀座 OMEGA Fair 2025 2025年5月1日(土)~31日(月)|松屋銀座 4階宝飾・時計サロ
- 2025新作 時間が輝きを生むとき:H.モーザー「パイオニア・センターセコンド サニーサイドアップ」
- 2025新作 フュメの魔法、エナメルの輝き:ブランドを象徴する秘法が生み出すダイアル。H.モーザー「エンデバー・センターセコンド コンセプト パープルエナメル」
- 2025新作 ターコイズ エナメル:高級時計に彩りを添える、H.モーザー「エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ターコイズ エナメル」
- 2025新作 むき出しのエネルギーと魅惑的な強さの融合。H.モーザー「ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック フローズン」
- 2025新作 色彩と宝石が鮮烈な輝きを放つコレクション。H.モーザー「ポップ コレクション」
- 2025新作 アイコンウォッチの25周年を祝し、独自のブルーセラミックを用いた最新作が登場。シャネル「J12 BLEU」
- <オメガ>グランドオープンフェア 2025年4月23日(水)~5月11日(日) |京都府:京都髙島屋
- 2025新作 時代を超えて、新しい世代へ贈る「タグ・ホイヤー フォーミュラ1 ソーラーグラフ」
- 2025新作 時代を超えて受け継がれてきた伝統、腕元に輝く勝利、サクセスウォッチとしての存在感を融合させ、「タグ・ホイヤー カレラ デイデイト」が、新たな時代に向けて再登場
- 2025新作 時間との戦いを制す、「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ|F1®」が登場