SEIKOセイコー創業140周年を記念して蘇った伝説の名機の全貌。王の帰還 01
ついに復活した『キングセイコー』代表モデル
『KSK』とは何か?
1881年(明治14年)、服部金太郎によって創業されたセイコーは、今年(2021年)で創業140周年を迎えた。これを記念して、いくつかの記念モデルが計画されているが、その第一弾として2020年12月8日に発表されたのが、『セイコー創業140周年記念限定モデル キングセイコー “KSK” 復刻デザイン』である。
1961年に最初のモデルが発売された『キングセイコー(以下KS)』は、その名の通り、先行する『グランドセイコー(以下GS)』と並ぶ、セイコーを代表する高級ウォッチのコレクションとして誕生。GSと並び、高い人気を獲得し、クォーツ・ウォッチに取って代わる1970年代の半ばまで製造が続けられた基幹シリーズのひとつだった。そして2021年は『KS』の誕生から60周年でもある。
今回、セイコー創業140周年記念モデルとしてリリースされたのは、“KSK”と呼ばれた『KS』の二代目モデル。初代は古典的な腕時計のデザインを踏襲し、繊細な印象が強かったが、二代目ではストラップを保持するラグが格段に太くなり、全体的に力強く、新たな時代に向けての腕時計というイメージをアピールするものだった。
しかし、なぜ初代ではなく二代目を復刻したのか? そのあたりの事情を『KSK』復刻モデルの開発を担当したセイコーウオッチ商品企画部主事の伏見和浩さんに聞いた。
「1960年代、弊社は『GS』をはじめ、65年の『初代150mダイバーズ』や69年の『クオーツアストロン』、『自動巻きクロノグラフ』などを次々に発表しました。このように革新的なモデルを生み出せたのは、1950年代後半から国産腕時計の新時代を切り開くべく、腕時計に求められる基本性能を見つめ直したことが大きかったと思います。そこで、なぜ今回『KS』二代目モデルを選んだかというと、それはデザインという要素が大きかったですね。
つまり、1960年代、セイコーでは『GS』と『KS』という二大コレクションがあり、機能性の向上はもちろん、デザインでも独自性を追求し、ふたつのコレクションを両輪として躍進していったのですが、『GS』と『KS』ではアプローチが違ったのです。
当時のカタログでの『GS』のキャッチフレーズは“確かな精度”。これに対し『KS』は“風格あるデザイン”。『KS』が精度を追求しなかったわけではありませんが、外装により力を入れたのが『KS』だったと感じました。そこで改めて『KS』の初期モデルを検討したところ、初代はまだ当時のスイス製の流れを汲むドレスウォッチの雰囲気をまとっていましたが、二代目は力強いラグや略字(インデックス)に従来にはない独自性があり、後に続く『KS』の原点となって、このモデルから“セイコーの世界への挑戦が始まった”という気概を感じました。これが二代目を選んだ最大の理由です。また、このモデルの復刻によって、かつてセイコーが遂げた輝かしい飛躍を知っていただければ、とも思います」(伏見さん)
>>>オリジナル・モデルの精神を継承しつつ高い品位を追求した“KSK”のディテール
協力:セイコーウオッチ株式会社 / Special thanks to:Seiko Watch Corporation
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