HUBLOT世界を驚かせるウブロの研究開発 その中枢を担う万能のエンジニア 03
今も調査を継続し、常に新たな発見がある
終わらない『アンティキティラ島の機械』の物語

1901年、エーゲ海・アンティキティラの沈没船から発見された『アンティキティラ島の機械』。古代ギリシア・ローマ時代に製作されたこの機械は、太陽、月の正確な位置や日食や月食の日程を知ることができる驚異のメカニズムを持っていた。 2011年10月、ウブロはこのメカニズムを取り入れたムーブメントを発表。2013年にはメカニズムを簡略化し、両面の表示機能を片面表示にするなど販売を目的とした『MP-08 アンティキティラ・サンムーン(MP-08 Antikythera Sunmoon)』を世界限定20本で発売した。このモデルは時分表示に加え、フライング・トゥールビヨン、太陽針による指針式の日・月の表示、ムーンフェイズ、星座表示などの機能を搭載していた。
そういえば2012年に来日した際にお話された『アンティキティラ島の機械』ですが、その調査も継続されているんですよね?
「はい。若い方は知らないかもしれませんが『アンティキティラ島の機械』の歴史的な素晴らしさを伝えていきたいと考えています。なぜなら、メカニズム開発については自分が最先端を行っているとずっと思っていたのですが、紀元前の時代に人類があれだけ正確な計算機を作れた能力を持っていたと知ったとき、『まだまだ自分は彼らの足もとにも及ばない』と思い知らされたからです。そして、まだまだあの続きがあるのです。
これはウブロが立ち上げたプロジェクトですが、アンティキティラ島に行き、水中ドローンでの調査を続けています。その成果として2022年に、彼らが乗っていた舟の痕跡を見つけました。その後も毎年2週間の調査を継続し、のべ1,000人ものダイバーを動員し、さまざまな遺物を発見しました。」
調査の結果は、実際の製品に反映されるのでしょうか?
「私としては時計に取り入れたいと考えています。CEOのジュリアン・トルナーレもこのプロジェクトにかなり関心を持っていますから、まだ正式には発表できませんが将来的には製品に反映されると思っています。
そうなれば、かなり注目されるでしょうね。なにしろ、このプロジェクトのために開発チームが新たな水中ドローンを開発しましたし、非常に力を入れていますから」
それにしても遺跡の発掘はマティアスさんの普段の仕事と、どうリンクしているのか不思議です。
「そこに秘密があるんです。私は最近、素材開発を専門にしているので、それが調査に役立っているのです。たとえば金属は海中で何世紀もかけて水に融け、砂に付着しているはずです。その金属の痕跡を探知機で探ることで、どこに舟があるかわかるのです。そして実際に舟がある場所がわかったんですよ。ところが舟の痕跡は70m下の海中にある12トンの岩の下にありました。それが砂に付着した金属の痕跡によって突き止めることができたのですから、我々のチームが関わっていたからこそですね。舟の中には古代のメカの部品も残っていました。なにしろ我々は金属や素材のプロフェッショナルですからね、面白いと思いませんか?」
非常に興味深いですし、マティアスさんたちウブロのチームが探査に関わっていなければ、きっと舟は見つからなかったでしょうね。
「ありがとうございます。この調査の成果は今年(2025年)の10月に発表する予定です。商品はおそらく2027年ぐらいになるでしょう。期待していてください」
さて、アンティキティラ島の調査がフィードバックされた新たなモデルとは一体、どのようなものなのか? ウブロとマティアスさんの開発の動向からは、これからも目を離すことができないのだ。
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