SEIKO Presage日本が世界に誇る磁器製造技術から生まれた『セイコー プレザージュ』の有田焼文字板 03
有田焼文字板の母体となった
伝統の窯元『しん窯』の魅力
『セイコー プレザージュ』の有田焼文字板の製作を監修する陶工・橋口博之氏。この橋口氏が所属するのが有田町黒牟田に本社・工房を構える『しん窯(がま)』である。
『しん窯』の創業は1830年(天保年間)。有田皿山・外山の地に鍋島藩指導のもと、民窯(みんよう=庶民向けの実用的な磁器を焼く窯)として築かれたという。当時は山の斜面に造られた登り窯を用いて大皿や大鉢など『荒物』を得意としたが、これが「新登り窯」と呼ばれたことから「新窯」となり、それが現在の社名である『しん窯』へ受け継がれた。
1976年、『しん窯』は新たなブランドとして『青花(せいか)』を発表。『青花』は中国語で「チンホワ」と読み、藍色と白の染め付けの器の意味である。
現在、“後世に残るやきものを創る”ことを理念とし、古陶磁の風合いと温かみを表現しながら、飽きのこない暮らしの器作りに取り組む『しん窯』。『セイコー プレザージュ』の文字板も、この『しん窯』の理念とセイコーの思いが融合したことから誕生したことは疑いのない事実である。
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有田の歴史を物語る幕末から大正にかけて登り窯で焼かれた磁器片が工房脇に埋め込まれている。かけらとはいえ、見事な筆さばきと美しい呉須(青い顔料)の発色に魅了される
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山の斜面に造られた『しん窯』。現在でも工房裏手の敷地内の山の斜面には、かつて大物の磁器を焼き続けた「黒牟田新窯」が残っており、古窯跡として保存指定も受けている。その横に、1996年にミニ登り窯を築き、今も時々イベントの時に使用している。
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『しん窯』では機械ではなく職人の手によって磁器作りを続けている。それは器を成形する「細工場」、絵付けの「絵描き座」、釉薬をかけ焼く「窯場」の三つに分けられる。
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『しん窯』のブランド『青花』の特徴は形状のおおらかさ、絵柄の楽しさユニークさ、呉須の味わい、釉薬の温もり、控え目で飽きのこない暮らしの器であること、となっている。
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
協力:セイコーウォッチ Special Thanks:Seiko Watch Corporation
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