FRANCK MULLER世界初を連発したフランク ミュラーの初期トゥールビヨン
世界初を連発した
フランク ミュラーの
初期トゥールビヨン
フランク ミュラーの足跡を語る際、忘れてはならないのが“トゥールビヨン”である。
トゥールビヨン(Tourbillon)とはフランス語で「渦」を意味する言葉だが、時計の世界においては、脱進機・調速機全体を回転させることで、てんぷやひげぜんまいにかかる重力の影響(姿勢差)を分散させ、時間精度を向上させる手段として、19世紀にアブラアン-ルイ・ブレゲが考案し、特許を取得した。
その後、トゥールビヨンは複雑時計のひとつの到達点と目されるようになり、何人かの名時計師たちがこれに挑戦し、傑作を残してきた。
ただ、その複雑さと繊細さ故に小型化が難しく、腕時計にこの機構を組み込むことに成功した例は、1980年代ごろまでは、ほとんどなかった。 この製造に成功したモデルとして、筆者の記憶に残っているのはオーデマ ピゲが1986年に発表した「スクエア クラシカル トゥールビヨン」である。これは特殊なスイング型の分銅によって巻き上げる極薄の自動巻きトゥールビヨン腕時計だったが、このシステムはその後、進展することがなかった。
そのような状況の中、困難を極めるトゥールビヨンの製造と進化に才能を発揮したのは、他ならぬフランク ミュラーだった。
彼はまず、トゥールビヨンと他の複雑機構を融合させることを目指す。そうして完成させたのがジャンピングアワー付きトゥールビヨンである。
その次に挑戦したのがミニッツリピーター付きのトゥールビヨン。このモデルではダイアルの中心部を大きくくり抜き、その下に隠されたメカニズムが時計の表側から見えるように作られていた。
さらにさらに、フランク ミュラーは前代未聞のコンプリケーション・リストウォッチを現実のものとした。それはミニッツリピーターと永久カレンダーにトゥールビヨンを加えたもの。これらはすべて“世界初”の複雑時計であり、このフランク ミュラーの腕の冴えに世界の時計愛好家が驚愕したのである。
しかしなぜ、フランクはこのような“世界初”のコンプリケーションを次から次へと生み出すことができたのだろうか? 先日来日したフランクに、このシンプルな質問をぶつけたところ、彼はこう言ってのけた。
「だって世界初じゃなければ、意味がないだろ?」
無邪気な笑顔を浮かべながら答えるフランク。それを見て私は、“この人は永遠の時計少年なのだ”と改めて認識したのである。
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto(25周年記念インタビューを除く)
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