FRANCK MULLER時計への深い愛が可能にした 伝統技法の掘り起こし
時計への深い愛が可能にした
伝統技法の掘り起こし
こうして上質なステンレススティール製ケースと立体感溢れるトノウ カーベックスのフォルムに、自ら創出した流麗なビザン数字を採用した「カサブランカ」は大ヒットとなり、時計界にトノウ型ウォッチのブームを巻き起こす。
だが、これはフランク ミュラーによる時計界のイノベーションの序幕に過ぎなかった。
フランク ミュラーはビザン数字の魅力をさらに引き出すべく、ダイアルの造形にさまざまな技法を用い、可能性を追求していったのだ。
まず現れたのが「フランケ・エナメル」だった。これはギョーシェ(機械彫りによる模様)を施した金属板に色の付いた半透明なエナメル(あるいはラッカー)を塗布して焼き付けたもの。これにより色の付いたエナメルの下にあるギョウシェのパターンが光を反射して美しく輝くのである。
また、同じエナメルの技法である「シャンルベ」も採用された。これは彫金を施したダイアルのベースに色を入れて焼成する技法。これらの技法を組み合わせ、ダイアルのベースにはフランケ、その中央部にシャンルベで地図などを描いたものなども生まれた。そして、その華麗な技の競演に人々は賞賛の拍手を送ったのだ。
哲学的なコンセプトを体現する
個性豊かなダイアルの造形
このような凝ったダイアルこそフランク ミュラーの得意とするところ。その代表のひとつが、時の概念を問い直した問題作「クレイジーアワーズ」である。
このモデルのダイアルには、ビザン数字のインデックスが通常の配置を無視して並べられているが、背景にはビザン数字の影がこれもまたランダムにちりばめられている。
さらに、このコレクションに登場した「クレイジー カラードリーム」では、ビザン数字のひとつひとつに異なる色が塗布され、まさに夢幻の如き世界をダイアル上に現出させる。
このようにカラフルさを極限まで追求したダイアルは、ともすればトゥーマッチ(やり過ぎ)になりがちだが、フランク ミュラーの場合、均整の取れた時計のフォルムと丁寧な作り込みによって、いずれのモデルも端正さと上品さを失ってはいないのが流石(さすが)である。
現在、これらのダイアルは、ジュラ山脈の懐深くフランスと国境を接する町のレ・ボワ(Les Bois)にある自社工房で生産されている。
世界遺産に指定された時計の町ラ・ショー・ド・フォンから北東に約10kmほど山地に入ったレ・ボワは極めて静かで落ち着いた町。ここに時計の部品を作る工房・工場が点在し、高い技術を持つ職人が集まっている。
この静かな町の工房で生産されるフランク ミュラーのダイアルは、何十工程もの複雑な作業の末に完成し、その精度と美しさはスイスでも超一級のクオリティを持っている。
このダイアルなくしてはフランク ミュラーの魅力を語ることはできないが、その背景にはブランド創設以来、四半世紀にわたって蓄積してきた高度な技術と、旺盛な改革への情熱がある。
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto(25周年記念インタビューを除く)
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フランク ミュラー ウォッチランド東京
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